新手。名人戦④2:2

2三歩と打たれて…難しかった」と羽生竜王。

2日まえの公式戦でさした同じ戦型に、思わぬ歩のたらし。

3分で打たれたこの新手に、80分長考。

さらに玉をにらむ1六角から、じわじわ不穏なふんいきでした。

 

盤面、右を見ても左を見ても、挑戦者にいい状況はなく

休憩後一手もささずの投了でした。(も少しやってよ、がホンネですが)

 

2三歩は「この形になったらやってみようと」天彦名人、準備の新手。

横歩取りの戦型になると予想し、対局前から策を用意していた。

勝利をよびこむ大きい一手になりました。

闘いを始めるまえから、戦っている。

4戦を終えて22敗。地元福岡でごぶに戻しました。

 

盤面を大きく見て、新手をおそれず使って、攻める。

このシリーズの天彦名人には、終始そんな姿勢が見られます。

受けるのでなくチャレンジする心意気が伝わってきます。

 

名人戦第5局は、はや一週間後の2930日、5月最終週。

場所は名古屋です。どちらが王手をかけるか。    (天童キッド)