「2三歩と打たれて…難しかった」と羽生竜王。
2日まえの公式戦でさした同じ戦型に、思わぬ歩のたらし。
3分で打たれたこの新手に、80分長考。
さらに玉をにらむ1六角から、じわじわ不穏なふんいきでした。
盤面、右を見ても左を見ても、挑戦者にいい状況はなく
休憩後一手もささずの投了でした。(も少しやってよ、がホンネですが)
2三歩は「この形になったらやってみようと」天彦名人、準備の新手。
横歩取りの戦型になると予想し、対局前から策を用意していた。
勝利をよびこむ大きい一手になりました。
闘いを始めるまえから、戦っている。
4戦を終えて2勝2敗。地元福岡でごぶに戻しました。
盤面を大きく見て、新手をおそれず使って、攻める。
このシリーズの天彦名人には、終始そんな姿勢が見られます。
受けるのでなくチャレンジする心意気が伝わってきます。
名人戦第5局は、はや一週間後の29~30日、5月最終週。
場所は名古屋です。どちらが王手をかけるか。 (天童キッド)