プールにて。
ジャグジーにつかりながら、25mをなんども往復もするスイマーをぼんやり眺めていた。クロールのドリル練習をしているのだろう。
ドリルは、右手ストローク・左手ストローク・キック、とパーツごとに強化する練習法。彼は左手ストロークで、50mを1分もち45秒前後でもどってくる。速っ、フォームもキレイ。感心しつつ、あれ?と思った。
左手ばっかり、右手プルはやんないの、痛めてるのか…
プールにおりていき横のコースに入って、わかった。
右腕がなかった。彼はパラアスリートだったのだ。
ホーキング博士が亡くなった。宇宙の話をわかりやすく語り、気球で空をとび、潜水艦で海にもぐった。その知性と行動力は、人には無限の可能性があることを教えてくれた。意志と想像力があれば、肉体のしばりを超え、人はどんなことへも挑んでいける。
スティーブン・ホーキング、3月14日没、76歳。ご冥福を祈ります。
プールで出会ったパラアスリートは、トライアスロンで東京2020をめざしていると語ってくれた。がんばれ。おれも、がんばる。(天童キッド)